H27-18 法恩寺

 寺宝『法恩寺年譜』は、「松渓山法恩寺は天平10年(738)に東国遊行中の行基が開創した。その後、荒廃して寺山と呼ばれいた。越生氏一族の倉田基行夫妻が、現れ来た天竺僧とともに、紫雲棚引く古井戸の中から、行基が奉じた5尊の仏像を見つけた。夫妻は草堂に仏像を祀り、出家して瑞光坊、妙泉尼と名乗った。建久元年(1190)、この地を訪れた源頼朝は二人の話に感銘を受け、土地と田畑を寄進し、基行の甥の越生次郎家行に命じて堂塔伽藍を建立させた」と伝える。小字寺井には、金明水・銀明水と呼ばれる湧水が現存している。室町時代の応永5年(1398)に栄曇が入山し、それまでの天台宗を真言宗に改宗して中興開山した。
 天正19年(1591)には、徳川家康から寺領として朱印地20石が与えられ、江戸時代には真義真言宗の僧侶養成である関東十一檀林の一つに列し、住職が将軍に直接拝謁できる「独礼」を許された高い格式を持つ寺院となった。
 「絹本著色高野明神像・丹生明神像」「絹本著色釈迦三尊及阿難迦葉像」(国指定重要文化財)、「絹本着色両界曼荼羅」「金銅装説相箱及び戒体箱」(県指定文化財)、「木造大日如来坐像」「法恩寺年譜」(町指定文化財)など、様々な宝物が伝存している。

018法恩寺山門
018渋沢平九郎埋首之碑
018法恩寺

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