令和5年 施政方針

 令和5年度一般会計予算を提案するにあたり、町政運営と主要施策について、施政方針を申し上げます。

 

 国が発表した地方財政対策では、令和5年度においては社会保障関係費の増加が見込まれる中、地方団体が住民のニーズに的確に応えつつ、地域のデジタル化や脱炭素化の推進など様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、地方交付税等の一般財源総額について令和4年度を上回る額を確保することとしております。

 その内容を踏まえた地方財政計画の規模は、総額92兆400億円で前年度と比較して1.6%の増加となっております。歳入では、地方税4.0%、地方譲与税0.1%の増加見込みとなっており、また、地方交付税についても1.7%の増加となっていることから、赤字補てん債である臨時財政対策債は44.1%の大幅な減少となっております。

 町の財政は、町民税の個人所得割、法人税割ともに、景気の回復基調による増加を見込んでおります。また、固定資産税、軽自動車税及び町たばこ税についても増加で見込んでおり、更に、地方交付税についても増加を見込んでおります。

しかしながら、社会保障関係費の増加に加え、エネルギー価格の上昇や物価の高騰の影響による経常経費の増加により、厳しい財政状況が続くと見込まれます。

そうした中、マニフェストに挙げております「安心元気な越生町」を実現するため、限られた財源を有効に活用し、次に掲げる6つの方針に基づき、日々の暮らしに焦点を当てた様々な施策、事業を展開してまいる所存でございます。

 

 1 誰もが安心して住める越生町を創ります

 脱炭素社会の実現に向け、毛呂山町、ときがわ町、東秩父村とともに3町1村が協議会を組織し、2050年までに二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指す「山並み連携ゼロカーボンシティ共同宣言」を昨年12月に表明いたしました。町の資源である森林の整備を行うとともに、まずは、身近に取り組める、節電や節水、ごみの分別やリサイクル等を更に推進し、二酸化炭素の削減を図ることで地球温暖化対策に寄与してまいります。

 日々の暮らしを支える生活関連では、劣化した町道の舗装改修に力を注ぐとともに、河川に堆積した土砂浚渫予算を新たに計上いたしました。また、長年の懸案となっている橋戸川の不法占用についても訴訟による問題解決に向け取り組んでまいります。

 更に、防災重点農業用ため池については、国庫補助金を活用した個別実施計画の策定を計画的に進めてまいります。

 

 2 お年寄り、障がい者の生活を守ります

 障がい者の日常生活用具に対する助成として、喉頭摘出者に対して新たに埋込型用人工鼻を給付品目に加え、また、予防接種に対する助成として、帯状疱疹予防接種も加えてまいります。

 保健センターを会場として実施している特定健康診査及び後期高齢者の健康診査について、新たに梅園コミュニティ館でも実施し受診率の向上に努めてまいります。

 また、タクシー・バスの利用券の助成を継続するとともに、商工会、社会福祉協議会と連携しながら高齢者の暮らしの安心を図ってまいります。

 

 3 町民目線の役場改革を行います

 行政のDX化を推進し町民の利便性を向上するため、マイナンバーカードの取得率向上に努めるとともに、住民票等のコンビニ交付10円を継続いたします。また、国が令和7年度までに実施を予定するシステムの標準化に向けた準備も進めてまいります。

 職員の窓口対応等については、町民の目線に立ち、より丁寧な対応を心掛けてまいります。

 

 4 女性・若者の活躍を応援します

国により出産・子育て応援交付金事業が創設されましたが、町独自の出生祝金制度を継続してまいります。また、健康保険制度の適用となった不妊治療についても、町独自の助成を継続してまいります。

 更に、多子世帯の住宅取得に対して支援を行うことで、引き続き少子化対策、子育て支援に力を注いでまいります。

 なお、女性・若者まちづくり会議の声をまとめた意見書は、町の貴重な財産として事業化に向けた検討を重ねております。

 

 5 教育重視・未来に向けた人材を育成します

学校教育において、町費学習支援員等の配置や町独自の少人数学級編成を活かし、きめ細やかな指導を展開してまいります。また、外国語指導助手による指導のほか、外国の学校とオンラインによる相互交流を図るなど、国際化に対応した教育を目指してまいります。

 

 6 産業振興と観光の町を発信します

 おごせブランド振興事業を創設し、特産果樹や伝統産業などを町の独自ブランドとして認定することで、地場産業の振興や町のPRに繋げてまいります。

 また、商工会と連携した創業支援の取組を行うとともに、店舗の開店など起業に対する補助金を設け、賑わい創出や地域活性化に取り組んでまいります。

 

 一般会計の予算総額は、42億8,000万円で、令和4年度の予算と比較いたしまして、600万円、0.1%の増額予算となりました。

 まず、歳入でございますが、歳入の根幹であります町税は、全体で13億1,623万円、前年度と比較して1,854万3千円、1.4%の増額となっております。税目ごとでは、町民税が5億8,286万4千円で前年度と比較して462万4千円の増額、固定資産税が6億4,023万9千円で前年度と比較して1,046万円の増額、軽自動車税が4,131万5千円で前年度と比較して215万1千円の増額、町たばこ税が5,015万6千円で前年度と比較して109万2千円の増額、入湯税が165万6千円で前年度と比較して21万6千円の増額となり、全ての税目で増額となっております。

 地方交付税につきましては、国が示す地方財政計画及び令和4年度の実績を考慮し、14億円で前年度と比較して6,000万円、4.5%の増額、また、地方交付税の財源不足分を補う臨時財政対策債につきましては、3,000万円で前年度と比較して4,000万円の減額となっております。

次に歳出でございますが、令和5年度は住民生活に直結する既存の町道、河川の維持修繕に力を注いでまいります。

 まずは、昨年7月12日の大雨を教訓に、土砂等が堆積している河川の浚渫を実施してまいります。また、舗装面の劣化が激しい町道の改修を積極的に実施してまいります。

 総務費関係では、地域おこし協力隊員を新たに1名増員し、既存の隊員と共に、森林を活用した町の活性化や森林環境教育に繋がる事業に取り組む隊員を募集してまいります。

 高齢者等にタクシー・バス利用料金を助成している地域交通対策事業につきましては、昨年度に増額したタクシー利用券1人年額4万2千円、バス利用券1人年額3万円を引き続き継続してまいります。

 防災関係では、災害時等に活用するドローンの購入、また、自主防災組織における防災士研修講座受講費の補助を創設するほか、土嚢ステーションの設置、地域交流センターへの防災倉庫の新設など、地域防災力の強化に向けた取り組みを進めてまいります。

 選挙関係では、4月9日に投開票が予定されている県議会議員選挙を始め、7月の町議会議員選挙、8月の県知事選挙と3つの選挙が見込まれております。

 児童福祉関係の施策といたしましては、国の出産・子育て応援事業を行うほか、町独自で実施してきた第3子以降の保育料無料化、18歳までのこどもの医療費の窓口無料化をはじめとする諸施策により、安心して子育てできる環境を継続してまいります。

 高齢者福祉関係では、高齢者保健福祉計画および介護保険事業計画を改定し、保険・医療・福祉をはじめとする高齢者施策の充実に取り組んでまいります。また、障害福祉関係では、埋込型用人工鼻を日常生活用具の給付品目に加え助成いたします。

 保健予防関係では、各種検診、予防接種等に係る助成制度を継続するとともに、新たに50歳以上の帯状疱疹予防接種に対する助成を実施いたします。また、健康保険適用となった不妊治療に対する助成も町独自施策として継続し、妊婦タクシー利用料金助成と併せ少子化対策を図ってまいります。なお、新型コロナウイルス感染症関係につきましては、5類感染症への引き下げが予定されておりますが、国・県からの情報を注視し、速やかな対応に努めてまいります。

 環境関係では、循環型社会形成を推進していくため、再生可能エネルギー設備等の設置に対する補助金と、集団資源回収事業への助成等を継続してまいります。また、「山並み連携ゼロカーボンシティ共同宣言」に基づき、3町1村が情報共有を図り、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

 農業関係では、特産果樹である梅の収穫作業の軽減と収量を確保するため、梅収穫ネット補助金を新設するとともに、梅剪定講習会を開催し、担い手の育成を図ってまいります。また、梅・ゆず等の新植・改植に対する助成を継続し、果樹経営支援を実施してまいります。

 林業関係では、森林環境譲与税及び県補助金を活用し、森林間伐整備、林道補修を実施するとともに、個人の間伐、下草刈りに対する補助を継続し、二酸化炭素などの温室効果ガスの吸収源である森林の保全整備に関する取り組みを実施してまいります。

 産業振興関係では、おごせブランド振興事業を創設し、特産果樹や伝統産業など町内に存在する価値あるものに焦点を当て、独自ブランドとして認証し、町のPR活動に役立てるとともに、地域の活性化を図ってまいります。また、商工会と連携し創業者支援を行うことで、起業を促し商工業の振興に努めてまいります。

 観光関係では、ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、観光協会と連携しながら、町のPRを展開し越生梅林、黒山三滝などの恵まれた自然や歴史文化遺産等の魅力を発信していきます。また、4年ぶりの開催を予定している越生まつりで、文化庁の地域文化財総合活用推進事業補助金を受け修理した素晴らしい山車のお披露目を行います。

 土木関係では、劣化した舗装道路の改修、土砂等が堆積している河川の浚渫等を積極的に行い、住民生活の安全と安心を図ってまいります。また、町営住宅関係では、仲町住宅の老朽化が著しい給排水管及びガス管改修工事を複数年に分け計画的に実施してまいります。

 学校教育関係では、義務教育段階に在籍する第3子以降の給食費について半額補助を継続いたします。また、物価高騰に伴う給食食材の高騰分について町独自の助成を行い給食費の値上がりを抑制いたします。

 英語教育については、英語検定の受験など具体的な目標を持たせることで、学習意欲の向上に努めてまいります。また、外国語指導助手を有効に活用し、オンラインによる外国の学校との相互交流授業を実施してまいります。

 社会教育関係では、パークゴルフ場を4月1日に正式オープンし、屋外活動の場を広げ生涯スポーツと健康づくりを推進してまいります。また、中央公民館及び体育館の長寿命化対策として、屋根と外壁の改修に向けた設計業務を実施してまいります。

 文化財関係では、引き続き伝統文化の保存・継承に努めるとともに、郷土にゆかりのある歴史上の人物を活かしたPR等を実施してまいります。

 これら主要となる事業のほかにも様々な事業を通して、「安心元気な越生町」の実現に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。

 町民の皆さまにおかれましても、引き続き町政発展のために、ご支援を賜わりますようお願いを申し上げ、私の施政方針といたします。

 

越生町長 新 井 康 之 

この記事に関するお問い合わせ先

総務課 地域支援・防災安全担当
〒350-0494 越生町大字越生900番地2
電話番号: 049-292-3121
ファックス:049-292-5400
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